波間が紡ぐ航路をただ自分は進む

答えの宛は無く 宛先が空白の伝書の様に

流れる
浮かぶ
揺蕩う

例え 行き着く先に 最後が待とうとも

「船長?」

ふと男に呼ばれ 眼を開ける
光が差す この天候じゃシケの心配は無いだろう

「あ・・・あぁ、邑雲・・・?」

邑雲と呼ばれた男は如何わし気にこちらを見ていた
この船・・・自分の船の副官

「どうしたんだ?慣れない気候にやられちまったか?」

口調は生意気だが、操船の技術に優れ 船内の管理も滞りなくこなしてくれる。この船の要の1人

「何でもない。それより報告を」

邑雲はそう言われ、航海録に目を通しながらスラスラと報告を始めた

「おう。ロンドンの港を出港してから3日目。現在位置は丁度サンマロの海岸の真北に差し掛かるぜ。プリマスまでは後1日ありゃ充分いけるだろう。アイリッシュウイスキーが早く飲みたいもんだ」

航行は順調・・・か

立て続けに邑雲は話す
「それよりもよ。楓伐のヤツをどうにかしてくれよ。あいつ久々の外洋だって浮かれ過ぎだぜ」

楓伐とはこの船のもう1人の副官
戦闘においては全くの木偶だが、学識や航行知識に関してはこの船で勝る者は居ない

「あーあー琥鉄のアニキと一緒ならなーあの命がけの毎日を思い出すぜ。左舷から敵船!装填完了!撃てぇ!」
子供の様に口を尖らせながら。邑雲は身振り手振りで戦いのふりをする

「まぁ、そう僻むな。私らは海軍でも。ましてや海賊でもない。ただ思う様に帆を風にはらませ。す」

「へいへい。進めばいい・・・でしょ。村正船長 わーってますって。そいじゃ、航行の無事を神様に祈ってきますよ」

そう言って 呆れ顔で邑雲は甲板を後にする

「バルト海で突き落としてやろうか」
そう呟きながら空を見上げる

白い・・・太陽の光
少し肌寒い風

「次の瞬間に嵐が来ようと・・・何も可笑しい事じゃない」

ただ 乗っていくだけだ

--------------------------------

「ジェノヴァの風」
Muramasa 測量士
冒Lv35 交Lv37 軍Lv52

主船「千子村正紅蓮」戦列艦

コメント

nophoto
勇馬
2008年8月12日11:12

さっそく書き込み...φ(・Å・´*)ヵキヵキ♪
ついでに、おいらのブログにリンク貼っといたからね〜w

おいらもそろそろ更新せねば。。。

Mura
Mura
2008年8月14日1:59

勇馬さん
リンクありがとうございます
文才はありませんが頑張ろうと思いますw
DiaryNoteはリンク貼れないらしいッス・・・すいません

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索